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ある雨の降った日の朝に

2008年10月24日

その日の朝は昨夜から続いている雨が止まなかった
普段はバイクで移動している男は自宅からの出発をギリギリまで控えていた

しかし雨はまったく止む気配をみせない
その日の男のスケジュールは1年前から毎週レギュラーで続けている
ラジオ番組の収録から始まっていた

「そろそろ出掛けないと間に合わないか・・・」

独り言をポツリと言うと男は傘を手に自宅を後にした
普段であればバイクで20分の距離の収録スタジオ 
今までは雨の日はタクシーで通っていた

この日は収録の1時間以上も前に自宅を出発していた
ちょっと早起きした気まぐれにバスと電車を乗り継いで収録に向かうことにしたらしい



バスに乗りポケットから小銭を出して運賃を200円払ったところで
手に握っていたお金が雨で濡れている床にボロボロとこぼれた

ついてない

雨で混雑している上に、傘で片手がふさがってる
周りのお客に申し訳なさそうな顔をしながら小銭を拾い奥の座席に向かう男
その時に後ろから運転手が声をかけた

「お客さん10円足らないよ」

そうバスの運賃は210円だった
男は乗りなれないバスでなぜだか運賃を200円と勘違いしていたようだ

混雑しているバスの入り口に戻り10円をポケットから取り出し
支払おうとした時

ボロボロボロ

また小銭が散らばった・・・



「なにやってんだ俺」

心の中でどこにもぶつけられ無い怒りを吐き出しつつ
小銭を再度拾い集める男

やっと小銭を集め最後部のシートに着席するとカバンの中から
小さなパソコンを取り出した

男はライフワークとも言える仮想空間での生活や日常をまとめて最近Blogをはじめていた
今日の移動にタクシーではなくバスと電車でのを選んだのもBlogを書く時間を作るためだった


小さなパソコンに通信端末であるイーモバイルを接続すると男はBlogを書き始めた

昨夜の雨の事 
仮想空間の仲間との遊びの事

しっかりとまとめてアップロードしようとしたその時に隣の座席の女性が立ち上がった

「あ、すいません」

小声で女性が謝った

立ち上がる際にハンドバックが男のイーモバイルをひっかけ抜いてしまった
あわてて拾いパソコンに繋ぎなおして男は愕然とした

どうやら慌てていたために何かミスをしたらしい
先ほどアップロードしようとしようとしたBlog記事は白紙に戻っていた

・・・今日はついてない日らしい




男はBlogの更新をあきらめてパソコンを鞄にしまい
ちょうど目的の駅前の停留所についたバスを下車した

バチャン

バスから降りた先には大きな水溜り男の左足は水浸し

・・・今日はついてない日らしい



駅に到着するとスイカを入れたパスケースを忘れてきたことに気がついた

・・・今日はついてない日らしい



電車に乗り 到着した駅からスタジオは徒歩10分程度
駅に到着後20分以上男は歩き続けている

なれない徒歩移動で迷子のようだ

・・・今日はついてない・・・悪夢だあああああああああ


幸あれ・・・

  


Posted by 海賊りゅうのすけ at 10:51Comments(0)小説な事

バナナ生活

2008年10月04日

奥様A「あら あそこに居るのはりゅうのすけさんじゃなくって」

奥様B「本当だわ 高価なバナナをダイエットに使っておられるのよね」

奥様A
「あ ほら お鞄からバナナを出されたわ」

奥様B「まさか生バナナの1本食い!!さすがハイソですわね」

奥様A「しかも路上バナナだなんて優雅な生活だわぁ」

奥様B「一気にお食べになられたわ えっ まさか そんな・・・」

奥様A
「ええええ なんですって 信じられないわ」

奥様B「おかわりバナナが鞄から出てきたわよ」

奥様A「朝食に2本も食べられるだなんて」

奥様B
「素敵よねえええ」



収録地:東京都世田谷区




  


Posted by 海賊りゅうのすけ at 17:24Comments(0)小説な事

ブログ小説『一杯なかけそば』後編

2008年09月10日

『一杯なかけそば』後編  作:りゅうのすけ
前編はコチラ(http://kaizoku.slmame.com/e362667.html


これはよくあるシブヤのお話。

男は蕎麦が茹であがるのを待っていた。
店内のトッピングのコーナーに目がいっている。何か気になる物でもあるのであろうか。

ゲソ天90円、エビ天120円、さつま揚げ100円。

よくある蕎麦屋のオプションと言った感じだ。
男はポケットからデジタルカメラを取り出すと何か作業をはじめた。

ナルシストなホストが自分の写真でも撮り始めたのか、キャバクラのキャッチがお店の女の子のチェックでもはじめたのか、アバタータレントがBlogのネタ様に写真でも撮るのか、とにかく待ち時間をデジカメでつぶすようだ。

ほどなく蕎麦が出来上がったようで、店主がそのギョロっとした目を男に向けて

「あいよ。熱いから気をつけて」
と、またぶっきらぼうに伝えて、すぐにまた店の奥にいってしまった。

男は席を立ち、カウンターまで蕎麦を取りにいった。
両手を大きく開き、親指と中指の腹で器の縁を持った男が席に向かって振り返りざまに

「熱っ!!」

思っていたより器が熱くなっていたようだ

「熱っ!!熱っ!!熱熱熱熱熱!!!!!」

言葉がドンドンペースをあげている。
見ると最初の勢いで少し右に傾いた器からつゆがこぼれ右手の親指にかかったらしい

立て直そうとして、今度は左手側にこぼれる、戻そうとするとまた右手、左手、右手…
ドンドンテンポをあげつつ、釣りたての魚の様に手の上で器がはねる。
そして


ガシャ


予定調和の如く、蕎麦は器ごとフロアに落下。

「大丈夫っすか」
店主がカウンターから出て来る。

「すいません」
男はとても恐縮している。さっきまでのぶっきらぼうな2人の会話とは別な熱のこもった会話である。

「どうします?もう1杯作りますか?」
蕎麦をモップで寄せながら店主は聞いた。

男は少し熱さがひいたのか、落ち着いた声で

「はい、すいません。かけそばお願いします。あ、チケットは買いますから」






男の前に2杯目の蕎麦が届いている。
今回はわざわざ店主が運んでいた。お盆にのせて。
男が最初からお盆を使えばこんな事にはならなかった。

1杯280円のかけそばが560円に。
ゲソ天2本とさつま揚げも乗せた豪華版になれる値段である。

男は蕎麦を食べると渋谷の街へと歩き出した。



コレは渋谷のよくあるお話。
悲しい蕎麦屋のよくあるお話。


  


Posted by 海賊りゅうのすけ at 04:11Comments(0)小説な事

ブログ小説『一杯なかけそば』前編

2008年09月10日

『一杯なかけそば』  作:りゅうのすけ



これはよくあるシブヤのお話。

深夜3時、こんな夜中だと言うのにサングラスをかけた男が、文化村の方から東急ハンズへ抜ける裏道を歩いている。
細身のピンストライプのスーツに、深い丸首のTシャツ、腰にはチェーンの様な物を巻き、髪の毛は金色に染め上げられている。

この街では特に珍しい格好でもない、ホストかキャバクラの呼び込みか、またはバーチャルワールドのアバタータレントでもやっているのだろう。

ハンズへ抜ける裏道の途中に蕎麦屋が1軒営業している。
男はそこを目指していたようだ。

ホストが仕事終わりに寄ったのか、キャバクラのキャッチが休憩とって寄ったのか、または
アバタータレントもリアルでは腹がすくのか、とにかく少し遅めの晩ご飯といった所だろう。



入り口で280円の「かけ/そば・うどん」の食券を買った男はカウンターの中の店主に

「そばで、熱いの」
とオーダーした。その声は疲れているのか、少しぶっきらぼうにも聞こえた。

妙に目のギョロっとした店主は

「そば、茹でるから3分ぐらいかかるけどいい?」
とコレもまた、ぶっきらぼうにつぶやくと男の返答も待たずに作業をはじめた。



いま思えば、この時の会話が後の悲劇を生んだのかもしれない。
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Posted by 海賊りゅうのすけ at 03:25Comments(0)小説な事